★小児自閉症★

 皆さん小児自閉症ってご存知ですか? たんぽぽの会の子供たちの多くがこの障害を抱えています。
 この子供達はとても普通に見えますが、抱える問題は想像よりはるかに大きなものです。
 自閉症の特徴は、
   ■社会性の障害
   ■コミュニケーションの障害
   ■想像力の障害とそれに基づく行動の障害
です。
 『自ら閉ざす』と書く診断名、また、就学時には情緒障害学級に多くが在籍する事などから、大変誤解されやすいことですが、自閉症はいわゆる『引きこもり』ではありませんし、急に発症したり治ったりする『心の病気』でもありません。ましてや、保護者の愛情不足や過保護から起こる躾の行き届いていないわがままな子供でもありません。五感の感じ方に問題を抱えた、認知の障害です。脳にほんの少し器質的な問題があり、人とのコミュニケーションの正しい取り方がわからないのです。
 言葉を話さない。目をあわさない。同じ質問を何度もする。ひとつの事にこだわる。この子達は時々とても奇妙な行動を取ります。そして、どうして怒られるのか、どうして自分の行動をさえぎられるのかわからないので、パニックになりやすいのです。
 皆さん、たった一人で、習慣も言葉も全く違う外国に取り残されたと想像してみて下さい。どんなに心細く、不安な事でしょう。常に神経を尖らせて、そして些細なことでパニックになるに違いありません。自閉症の子供達は毎日がそのような状態なのではないでしょうか。
 しかし、この子達は、皆さんとの触れ合いを心待ちにしています。どうぞこの子達と友達になってください。
 とはいえ、生活習慣の違う外国人と初めて接するのと同じように、ほんの少しコツがいるのです。
 この子達への声かけは、沢山の説明ややさしい言い回しよりも、具体的に、単語を切って明瞭にお願いします。そして、悪い事を注意する場合も、出来る限り否定文ではなく肯定文で。叱るときは本当に怖い顔で、笑うときは楽しい顔で接してください。



★自閉症児の感覚過敏★

 少し前のことですが、自閉症を扱ったドラマがありました。ご覧になっていた方はご存知でしょうが、ともさかりえさんが演じた『君が教えてくれたこと』の主人公、繭子は自閉症児に特有な『感覚過敏』という障害をもっていました。ドラマの中では、そのために、特定の素材の洋服しか着られなかったり、音が気になってレストランで食事が取れなかったり、抱きしめられることができなかったりといったさまざまな問題が起こっていました。
 このドラマの主人公と同じ様に、自閉症児たちは身体に様々な過敏さを持っています。それは個人によりさまざまで、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)すべてに生じる可能性があります。また、感覚過敏を重複して持つ場合もあります。
 自閉症の感覚過敏は、少し変わった行動(耳を塞ぐ・目を覆う・偏食・肌に触れるものや人を嫌がる・所かまわず服を脱ぐなど)でわかることが良くあります。自分の苦痛や不安を、風変わりな行動によって周囲に知らせているのです。
 自閉症児(者)は、自分の気持ちを人に伝えることがとても苦手です。だから、はためには奇妙にうつる行動で、周囲に助けを求めているのです。それは、一般的な目から見るととても特異な形で、何を感じているのかを理解するのはとても困難です。しかし、抱える問題を周囲の人から理解してもらえたとき、奇妙な行動も意味を無くし、少しづつ消えていくに違いありません。
 私たちは、困難にぶつかったときに人の支えを必要とします。周囲がそのサインを見逃す。気づいても無視する。奇異な目で見る。そんな対応によって、子供達は傷を深めていきます。それは、人間不信をもたらし、ますます、社会から孤立させる原因となります。
 感覚過敏は、自閉症児によって違い、最良のアプローチもその子によって違います。まずは、その子に寄り添い、子供がこちらを受け入れてくれるよう工夫をしてみてください。例えば、言葉による誘いかけではなく、無言でその子の行動を一緒になぞる(予測できない他人の動きを恐れる子もいます)。何か他のことに熱中させ、余計な外部刺激を遮断させる。など、その子を良く見て、受け入れやすい方法を探してみてください。
 時間がかかることもありますが、必ず、子供の世界と、私達の世界とが重なる瞬間があるはずです。
 一緒に障害と向き合ってくれる人がいるということが、自信につながれば、自閉症特有の障害があっても、それとうまく共存できる人間に育っていけるのではないかと思います。


★自閉症圏障害★

 自閉症圏障害とは、広義の自閉症の事を言い、小児自閉症・広汎性発達障害・アスペルガー症候群などを含みます。
 かつて、自閉症圏障害は親の愛情不足による障害であるという誤った情報が横行していました。初めて症例の報告がなされてから50余年、最近では情緒の障害や精神障害ではなく知覚や認知の処理過程の発達障害であり、その為、独特の偏りや遅れがあるのだという事が明らかになって来きました。
 たとえば 耳の機能は正常であっても、聞いたことばが脳の中で単なる雑音や騒音としてしか聞こえない。その言葉の意味を理解することがうまくできない。また、たとえ、言葉の発達は遅れていなくても、言葉の本来の目的である、コミュニケーションの方法として活用できない。その他の発達も偏っていたり歪んでいたりなど、独特の状態なのです。
 自閉症圏障害児の指導の基本は、情報に手を加え、入りやすい形にして入れていくこと。具体的には、耳からの情報が入りにくいのであれば、、本人が成熟している感覚(例えば視覚)を利用するということです。
 絶対に避けてほしいのは『慣らすため』という理由です。『慣らすため』に無理に集団へ引き込んだり、『慣らすため』に苦手な感覚をわざと強制したりということはやめてください。問題行動を増やす原因にもなります。
 自閉症圏障害児には時間をかけて寄り添い、まず信頼関係を作りましょう。そして、本人に合ったサポートを繰り返しながら、スモールステップで徐々に社会的スキルを身につけていく訓練をしていきましょう。


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